入り組んでいる屋根

 

京町家は基本、平入、切妻を基本とする屋根で構成されています。写真は中二階の窓から母屋方面を眺めた絵です。平屋(1階建て)部分の屋根が谷になっていて、間を波板で継いでいます。下は現在、事務所スペースになっており、波板の所が丁度「天窓」のように明かり取りとなっています。

上手くしてるなと思っていたのですが、ここは恐らく以前「庭(中庭)」だったと想像しています。
1,屋根瓦が他と比べて新しい
2,玄関間の裏手に「ヒカリニワ(中庭)」があるのは「表屋造」の特徴
3,事務所スペースの床が一段低くなっている

「ヒカリニワ」を調べると

間口の大きい表屋造の町家でゲンカンの北側か西側(即ちゲンカンニワの反対側)に設けられる外部空間。ゲンカンの採光とともにゲンカン上部の屋根の雨水を処理するための空間。

玄関間が改築で消滅しているので「ヒカリニワ(中庭)」を復活させるかは考えどころです。

庭はあると趣きがあるのですが、手入れが大変です。さりとて、現状の事務所スペースは動線も良くありませんし、雨漏りの危険性も高いです。今後の活用方針を決めて動かないと、場当たり的に手を加えると後悔しそうです。