「京町家の再生」を読む

 京都市景観まちづくりセンター編の「京町家の再生」を図書館から借りてきました。2008年にニューヨークで行われた公開フォーラムの記事が載っているのがきっかけです。京都以外の方(よそもん)が京町家に興味を持ち、保全に力を発揮してくれていることは以前から聞いていました。という私も「よそもん」です。

神社仏閣は以前から法律が整備され保存されてきたが、町家のように市民の日常生活の場である建物の保存について意識が希薄であった。アメリカは1960年代にそれに気づき税制の優遇処置を含め市民活動で街並みが保全されることを経験した。ヨーロッパ、特にイタリアでは憲法9条で「歴史的町並みを保存する」(文化の推進および記念物の保護)とある。個人の所有物でも勝手に改修できないようになっている。

なるほど、社会設計が違っているのでヨーロッパは街並みが保全されているのか。

京町家の保全の動きはその後、進化を見せ税制優遇がなされるようになっている。地道な活動の成果だと思う。

本の中で隈研吾さんが建築家ライトのdepthの手法の「格子の透明性」が影響を与えていると紹介していた。奥に入っていく感じを格子がスクリーンの役割を果たして可能にしていると。町家が世界的な建築家に影響を与えていることが分かる。