西山三山「柳谷観音 楊谷寺」

雨の日、ドライブがてら楊谷寺(ようこくじ)に行ってきました。冬の平日+雨の日のせいか訪れる人も無く。ひっそりとした古刹です。調べると

京都の西山三山の一つであり、平安時代に開創された「柳谷観音 楊谷寺(ようこくじ)」。天皇家・公家をはじめ、眼病に悩む人々に信仰された名刹です。

とあります。目が悪いので”眼病”という文字に惹かれ、最近SNSで人気になっている花手水(はなちょうず)も気になります。

京都市内からはナビを入れると長岡京市の郊外,筍で有名な竹藪の奥にあり、狭い山道を行くとほどなく到着します。ハイキングでは京都トレイルの西山地区で近くを歩いたことがあります。車が無いと長岡天神からタクシーで15分かかるので、かなり不便なところになります。
ネットでは駐車場は150台、無料と書かれていますが、Time’sの有料駐車場に変わっていました。

階段を上ると直ぐに手水鉢が目に入ります。2月に訪れましたのでバレンタイン仕様でした。
お寺とバレンタイン、GODIVAがコラボしていいのかと考えるのは野暮なことです。山深い里に人を呼ぶ術は、信仰と言う物語が信じられなくなり、変わってスマホの中になるSNSアプリが新たな価値を生み出してくれています。バエる写真をアップし「いいね!」で繋がる仮想空間は現代の新たな寄りべであり、宗教に変わるものだと思わなくはありません。受付で志納料500円を納め、朱印帳を預けてお参りスタートです。毎月17日はご本尊の十一面千手千眼観音菩薩(柳谷観音)を拝めるようですが、今日は扉越しに手を合わせました。

本堂から阿弥陀堂や奥之院と境内が繋がっており、書院から眺めるためにつくられた浄土苑は見事です。この庭園は京都府指定名勝に在らばれており、秋の紅葉のころは見事な風景だろうと思います。こところどころにある花手水も綺麗に装い、水琴窟は体験ができます。寒い中、ぐるっと境内を歩きながらこのお寺は遊園地だとふと思ってしまいます。歴史と共にいろんな施設(アトラクション)が加わったように思えてなりません。

さて、かつては知る人ぞ知るお寺でした。ネット情報を検索すると”伝承によれば、弘仁2年(811年)、楊谷寺を参詣した空海は、堂の傍らの湧き水で、眼のつぶれた小猿を抱いてその眼を懸命に洗っている親猿を見かけると、小猿のために17日間の祈祷を行った。すると満願の日に小猿の眼が見事に開いた。それ以来、空海はその湧き水を眼病に効く独鈷水として広めたという。独鈷水は、江戸時代に眼の悪かった霊元天皇がそれで眼病を治癒したのをきっかけとして、以後歴代の天皇へ献上されるようになり、明治時代となって皇居が東京に移るまで献上は続けられた。”とあります。独鈷水が気になり、最後に覗いてみると石清水が湧いていました。飲むと易しい味のお水です。目洗いに使うと効能がありそうな気がしました。これ井上清七薬房のライバルです。

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