「ぬばたま」
ヒオウギの実がなっていたので採取しておきました。
このヒオウギの実は万葉集では「ぬばたま」と言います。

黒く輝くこの実を「ぬまたば」というのは、「ぬば」という語が「黒い~」の最も古い言葉だがらだそうです。「沼」から連想されたと解説されています。そして、この「ぬまたば」は「黒」「夜」「髪」「夢」などにかかる枕詞として用いられます。
ぬばたまのわが黒髪に降りなづむ天の露霜取れば消につつ
(まっ黒な私の黒髪に降りてくる天の露霜は、手にとれば消えてゆく)
確かに「ヒオウギの実」は湿り気のある黒く艶やかな実です。
このヒオウギの株は庭にあまり多くなく、できたら増やしてみたいと思っていました。アヤメ科なので株分けでもいいのですが、この真っ黒な実を見ると実生で育ててみるのもいいかなと思っています。

この「ぬばたま」ですが、和菓子でも有名で烏羽玉 (うばたま) というのがあります。

よく手土産でいただきます。こし餡、黒糖で作られたシンプルものですが毎回幸せを感じる美味しい品です。
京町家「井上清七薬房」をもっと見る
購読すると最新の投稿がメールで送信されます。

