再建は元治2年ですね
入口いある大戸のガラス戸に鍵をつけようと作業している中で面白いものを発見しました。お札を入れる木箱なのですが堆積したホコリの山の中に埋もれており掘り出してみると箱書きがあります。


「元治二年 乙丑(きのとうし)」二月吉日新調 井上清六」
とあります。
元治2年というのは蛤御門の変で発生した「どんどん焼け」の翌年です。京都の大半が焼け落ちた大火で、当家も消失したと聞いています。その翌年大戸の上に新調した「お札入れ」を掲げたということです。家を再建し大戸の上にお札入れを飾った当主は、これからの商売繁盛を願い、商いを再開したといことでしょう。よく見ると火事は元治元年7月19日(1864年8月20日)に起こりましたので半年後には再建したことになります。スゴイ行動力だと感心させられます。

箱には古いお札が入っていました。さてこのお札はどうしたものか?そういえば家中あちこちにお札が貼ってあります。古いお札はもはや町家のデコレーションの一部、古色蒼然とした空気を演出してくれています。
見つかった木箱のお札は歴史遺産として取っておきましょう。
木箱はほこりを払い、大戸の上に飾り直しておきました。
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