工事の模様2

一階部分に囲いができました。中をのぞくと

格子戸が外されています。柱のホゾ跡をみると建物ができて以来の様子が分かるそうです。できた当初の格子戸は作り付けで取り外しができないタイプで、牢屋のような作りだったそうです。その後の改修で取り外しのできるタイプに変更されています。
また店の間の天井は大和天井で綺麗にカンナ掛けされた床板(二回の床)が出てきまいた。

腐食が進んでいた部分の柱を見ると、完全に外れています。これでは耐力がないので、強い揺れがあるとひとたまりもありません。今回すべて新しくします。
雨が吹き込んで虫に食われたのだろうか?お隣が駐車場になったことが起因しているかもしれません。

こちらは床部分。虫食いが進んでいます。原因は床上げのためにコンクリートを流し込んだため。すべてやり変えるそうです。
想定内の工事といえ、古い町家を改修するのは大変です。

「おがみ看板」の跡をみると古いしっくい壁が現れました。これをみると創建時のしっくい壁は「ねずみ色」だったと思いがちですが、どうもそうではないようです。この鼠色のくすみは煤を被ったためで、火災にあった痕跡ではないかとのことです。他にも炭化した柱が出てきたとののことから小規模な失火を二階部分で経験しているようです。いろんな事実が明らかになります。
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